
インプラント手術を成功させるためには、事前準備がとても重要です。口の中に膿が出ていたり、炎症が起きている箇所があれば、事前に治療を行わなければなりません。手術を安全に行うため、リスクをできるだけ減らす環境づくりをします。
また、インプラントを埋入する骨がある場合と、ない場合によっても事前準備が異なります。詳しく説明します。
例えば、糖尿病をお持ちの方は、その管理が十分でないとインプラントの成功率が下がるため、糖尿病のコントロールが重要です。また、喫煙者の場合、骨を作る手術を行っても失敗するリスクが高いため、禁煙が推奨されます。また、インプラント手術を前提とした、口腔環境を整えるための治療としては、口腔内の細菌数を減らし、手術を安全に行うための環境を整えます。


この段階では、術後に装着する仮歯の作製や、CT撮影などの検査も行います。CTによる詳細な分析で、一般的なレントゲンでは判断不可能な神経の位置や骨の厚みが診断可能なため、正確な手術計画が立てられます。(写真左:村井歯科医院CT画像)また、患者さんの状況により、CTによるシミュレーションからサージカルステントを作製することもできます(写真右:村井歯科医院手術ガイド装置画像)。これらの3D画像により、インプラントを埋入する部位の安全性や適切な角度を計算し、シミュレーションを行います。これにより、手術計画を正確に遂行できます。
骨がしっかりある場合には、通常手術が適応されます。骨に穴を開け、インプラントを埋入するシンプルな手術です。手術から2~6か月で上部構造物完成し、痛みも少なく、腫れも少ないです。
一方、患者さんのお口の状態によっては、骨造成手術が必要な場合があります。歯の欠損期間が長いほど骨が痩せてゆきますので、インプラント埋入に必要な骨量がない場合、手術に先立って失われている骨を増大させる手術を行うことでインプラントの適応範囲が広がります。骨の痩せた部分にご自身の骨を移植する方法ですが、手術が必要な分、治療期間が多少長くなります。また、手術の後、腫れることがあります。
骨造成手術の適応は、主に骨の活性が高い方に適していると考えられますが、骨の状態は個人差がありますので実際の治療はケースバイケースです。年齢や健康状態によっては、シンプルな治療法を選択することもあります。いずれも、患者さん一人ひとりの状態を確認しながら、個別に治療方針を立てていきます。
上顎の骨が不足している場合は・サイナスリフト・ソケットリフト・骨の移植・骨増生法などの方法で行います。

下顎の骨が不足している場合は主に骨の移植を行います。

【体調の確認】
睡眠は十分に取れていますか?
血圧を測定して確認します。
食事はしっかり食べていますか?
薬いつも飲んでいる薬は?
帰宅時おひとりか、付き添いが必要か?
車の運転はお避けください。など。
【麻酔の種類】
・局部麻酔
通常の歯科麻酔 抜歯等の時と同じです。
・薬物鎮静法
マイナートランキライザーで、気分を楽にして手術を行います。
・静脈内鎮静法
専門医による麻酔で、うたた寝をしているような状態で、いつの間にか手術が終わってしまいます。
・全身麻酔
専門医による麻酔で、眠っている間に手術が終了します。

歯肉を切開し、骨に穴を開けます。チタン製のインプラントを埋入します。歯を1~2本抜いた程度の手術です。


この後、骨とインプラントが馴染むための治癒期間をとります
インプラントを埋入する一次手術が終了すると、ここからは、骨とインプラントがしっかりなじむ治癒期間です。この期間は、最終的な人工歯の装着、メンテナンスへと続く大切なステップです。次回は、一次手術後の流れと、長く使い続けるためのメンテナンスの重要性についてお伝えします。
